【忠臣蔵】実はカップルだらけ!忠臣蔵裏話

2021年10月8日

忠臣蔵と言えば、

「主君の仇を取った義士たちのカッコいい話!」

と、とにかくストイック!真剣そのもの!冗談なんて入る隙もない苦労譚!ってイメージがありますね。それもそのはず、男ばっかり四十七人、その他関係者を合わせても、とにかく男の花道のお話。

ですが、史実では忠臣蔵の登場人物はかなりカップルが多いって知ってましたか?今回は、あんまり知られてない忠臣蔵の裏恋愛事情を解説いたします。

ハッキリ言って気持ち悪い……将軍綱吉と柳沢吉保

この人こそ、忠臣蔵の陰の主人公!時の将軍、徳川綱吉(つなよし)

実に有名人ですよね~。犬公方(いぬくぼう)様の異名を持つこの方、日本史の教科書でおなじみです。自分が戌(いぬ)年だからって、「犬は殺しちゃダメ!犬をイジメたら島流し!人間が飢えてても、犬にはご馳走をあげるべし!」とゆー、訳の分からん「生類憐みの令」を作って、日本中大混乱に陥れた将軍様です。

四十七士は、まさにこの将軍の時代だったのでメチャクチャ迷惑かけられました。内匠頭がたいしてお調べもないままに、即日切腹させられちゃったのも、将軍のお気に入り家臣、柳沢吉保(やなぎさわよしやす)が吉良を贔屓してたからなんです。

さて!今ちょこっと名前が出た柳沢吉保、綱吉が「目に余るほど寵愛した」と言われる寵臣。何でこんなエコヒイキされたかと言いますと、綱吉が男色家で若い頃の吉保を溺愛していたからなのだそうです。

何しろ、綱吉の男好きは歴史に残るほど!常に二十人は美少年を大奥にストック。在位中、手を出した少年の数は130~150人はいたそうです!お元気で何より。男好き過ぎて、跡継ぎが全然できず(生涯に子供は二人)周りは心配しまくったそうですよ。

柳沢吉保はこれらの少年たちの中でも特に愛された人。どのくらい愛されまくったかは、彼の異例の大出世で数値化できます。

「吉保の最初の石高は530石、出世しまくり、最終的な石高は15万石。単純計算すると、生涯で収入は約300倍!」

吉保愛はこれだけにとどまりません。最初は、この人「保明(やすあきら)」という名前だったのですが、綱吉が「吉」の字を与えて吉保に改名。どこへ行くにも連れまわし、雷がひどい日には(綱吉は大の雷嫌いだった)、「雷が怖いから吉保についててほしい」と、真夜中でも吉保を登城させてイチャイチャしていたんだとか……。

何か、もう常軌を逸していますね。

まさかあなたが!内匠頭と片岡源五右衛門

主君と家臣のラブラブな話は、綱吉と吉保だけにとどまりません!実は、赤穂側にもそんな話が……。

四十七士の中で片岡源五右衛門(かたおかげんごえもん)という家臣は、ヒジョ~に美男子で有名でした。この片岡源五右衛門、実は内匠頭に愛されまくってたとか。

念のため、内匠頭の名誉のために断っておきますが――当時「大名」と名につく人で、男に手を出さない殿様はほぼゼロと考えてけっこうです!内匠頭は名君と言われてますが、この人だって当時の殿様。男に手を出したからってこの人が特別変態なわけじゃありません。当時はフツーだったんです!

内匠頭は最初はノーマルだったそうですが、片岡源五右衛門があんまり美男子だったのでうっかり手を出し、一気にその道に目覚めたそうでして……。そんで、あんまり片岡源五右衛門にのめり込んじゃって、石高までアップしちゃったそうですよ。

「内匠頭は生涯奥さんが一人しかいなかった愛妻家」と言われていますが、女の妾はゼロだったけど、男の妾はいたんですね。

ホントかな?堀部安兵衛と大石主税

これはあんまり当てにならない情報なのですが、赤穂藩一の剣客、堀部安兵衛(ほりべやすべえ)と、四十七士の中で最年少(十五歳)の大石主税(おおいしちから)が男色関係にあったという衝撃のニュース。

どっから仕入れたネタかと言いますと、大石主税が切腹する時、堀部安兵衛が「わたくしもすぐ参りますぞ」と主税に言ったのだそうです。その時の二人の様子を見ていた役人が、

「この二人はデキてるな」

と直感したのだとか。

……ハッキリ言ってこれだけ。交わした歌があるとか、そういう会話をしていたとか、具体的な証拠は何一つないのですが、男色文化が盛んな当時の男性の直感というのはなかなか馬鹿にならないそうなので、もしかしたらもしかするかも?

まとめ

忠臣蔵のカップル、代表的な人たちを紹介いたしました。

実はこの人たちの他にも色々あります。例えば、吉良上野介が男色家で主税を狙ってたとか。大石内蔵助が矢頭右衛門とアヤシイとか……。

まあ、人間って色々ありますよね。

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著者プロフィール

坂口 螢火
坂口 螢火
歴史専門のライターを目指しています。

古典と神話が好きすぎて、ついに家が図書館のように……。

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Posted by 坂口 螢火