できるだけ短く!三国志のあらすじまとめ

2021年10月1日

誰もが一度は耳にしたことのある三国志!映画にもなったしドラマもゲームも人気ですね。

でも、三国志には厄介な特徴が……「とにかく長い!」「登場人物多すぎ!」という点です。そーゆーわけで、ここではとにかく余計なところは省いて、ざっくりと三国志のあらすじを紹介します!「出来得る限り分かりやすく」と目指します!

集まれ!三兄弟!


三国志って言ったら、何をさておいても「桃園の誓い」ですね~。中国史史上、これほど清く正しく美しい名場面はないでしょう!

この時代、漢の王朝が滅びかかって、中方政府は崩壊寸前。国中で悪者、野心家、アヤシイ宗教家が入り混じって、グッチャグチャの状態です。

ここに、ホントかどーか知らないけど、「オレは皇帝の血筋を引いてるんだよ」と言い張っている劉備玄徳(りゅうびげんとく)がいます。この青年はマジメなわらじ売りで、孝行息子としても有名。彼は「皇帝の末裔として、戦ってこの国を立て直して見せる!」と立ち上がります。

この劉備青年に味方したのが、豪傑の関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)。三人で満開の桃畑に集まり、「我ら同年同月同日に生まれずとも、必ず同年同月同日に死なん!」と麗しい義兄弟の契りをかわすのでした。「さあ、感動してください!」と言わんばかりのシーンです。

超悪者の董卓VS同盟軍

この時代、中国の首都は洛陽(らくよう)にありました。ここに皇帝の劉協(りゅうきょう)が住んでるのですが……彼はまだ九歳の幼さ。軍人で大悪党の董卓(とうたく)が洛陽を独り占めしていました。董卓はオビタダシイ軍勢を一手に握っていて、しかも三国志最強の男、呂布(りょふ)を部下に持っているので、誰も逆らえません。気に入らない奴は殺し、財宝をかき集め、毎日遊びまくってやりたい放題。

でも、世の中がそんな悪者を許しません!中国中の英雄たちが「反董卓同盟」を結成。ついに董卓を滅ぼすために戦います!そのメンバーは、袁紹(えんしょう)、曹操(そうそう)、孫堅(そんけん)、それから、あの三兄弟とか。……でも負けて、同盟は解散。あっけないですね……。

董卓暗殺!曹操、皇帝をゲット

同盟軍が解散したので、いい気になった董卓。もっとさらにやりたい放題します。……でもそんな彼に天罰が。部下で「最強の男」呂布が、董卓のお気に入りの美女貂蝉(ちょうせん)に一目ぼれしたために、董卓を裏切って暗殺したのです。……でもこの呂布も、董卓殺しの後、いろいろあって殺されちゃいます。この人、「最強の男」だけど、惜しむらくは知恵が全然なかったんです。「天は二物を与えず」の典型ですね。

董卓亡きあと、皇帝の劉協を巡って血で血を洗う戦いが起きます。「皇帝をゲットすれば、自分が第二の董卓になれる!」と、皆が皇帝を欲しがったのです。

すごいバトルの後、最終的に皇帝をゲットしたのはまだ若い曹操。若いし小男だけど、曹操は天才的な政治家です。皇帝を手に入れた彼は、その権威を最大限に利用して「自分は官軍だ」と名乗り、またたく間に一大勢力へのし上がったのでした!

官渡の戦い。曹操、トップに躍り出る

曹操は皇帝を利用して、どんどん上り詰めます。でも、そんな彼には最大のライバルが……。中国の北側、河北を支配している袁紹(えんしょう)です。両者はず~っと睨み合ってましたが、ついに決戦、大バトル!これが世に名高い「官渡(かんと)の戦い」です。

袁紹の方が軍勢が多いので、当然曹操は旗色が悪いです。それでも岩を吹っ飛ばす大砲(霹靂車、へきれきしゃ)などハイテク武器を使って頑張ったのですが、とうとう弱音を吐きます。

「もうダメだ~!諦めて帰るよ!」

すると、曹操の右腕的存在、荀彧(じゅんいく)がアドバイス。「こっちが苦しい時は、向こうも苦しいんです!ガンバレ!」

それで感涙にむせび、「分かった荀彧!オレは頑張る!」とヤル気を出した曹操。怒涛の追い上げでついに勝利!これで、曹操は堂々トップに躍り出たのでした。

三顧(さんこ)の礼。劉備、孔明をゲットする!

さて、その頃、劉備玄徳はどうしていたかというと……。劉備、関羽、張飛の三人組は何回戦をしても負けっぱなしでした。

そこで悟った劉備、「みんな、強いだけで頭が悪いから負けるんだ!軍師を手に入れなきゃ!」と、人材探しに乗り出します。そこで目をつけたのは、まだ二十代の若さだけど、頭が良すぎて人間嫌いになった諸葛孔明(しょかつこうめい)とゆー大天才でした。

劉備は孔明ゲットのために何度も孔明の家に通って口説きまくり。これが有名な「三顧の礼」です。劉備のあまりの熱さに感激した孔明、劉備の部下になります。

大天才軍師を手に入れた劉備は、またたくまに成功への道へ!やっぱり古今東西、のし上がるには軍略が大切ですね。

天下分け目の戦い!赤壁で大バトル!

さあ、いよいよ三国志前半のクライマックス、赤壁の戦いです!

この頃、曹操はすでに中国の北半分を占拠。「さあ、南に乗り出すぜ!」とやる気満々です。南の方にあるのは呉(ご)の国。リーダーは孫権(そんけん)です。でも孫権はこの頃とっても若くて、ぶっちゃけ頼りになりません。実際に頑張ってるのは大都督(だいととく。軍隊のエライ人)の周瑜(しゅうゆ)です。

さあ、曹操は怒涛の勢い。まるで台風のよーに南下してきます!ここで、呉は劉備たちと同盟を組みます。「お互い、曹操に命を狙われている。一緒に曹操をやっつけよう!」というわけです。

曹操軍と呉軍は、長江という海みたいに広~い川で対決することに。曹操軍の軍艦は凄い数です。呉から見ると、向こうの川岸が曹操の軍艦で埋まっちゃってるみたいに見えます。「うわ~、ヤバいよ。こっちの軍艦の何倍もあるよ。かないっこないじゃん!」と、呉の人々は真っ青。

ここで、すごいアイディアを出したのが諸葛孔明。「一年に一回だけ、呉側から曹操側に向かって大風が吹くよ。この風で火攻めをしよう!」

この火攻めで、見事に呉、劉の同盟軍は勝利!曹操はスタコラサッサと逃げていきました。

孔明だまし討ち。周瑜血を吐いて死んじゃう

赤壁で大勝利して、勢いに乗った呉の軍勢。荊州(けいしゅう)という土地を目指して進軍します。ここは中国南部の大体真ん中にあって、とっても大事なポイントなのです。

この頃荊州を占領してたのは曹操軍。周瑜をリーダーとする呉軍は超がんばって、ついに荊州から曹操軍を叩きだします!「やったあ!ついに荊州を取ったぞ!」と大喜びの周瑜……。だったのですが、なんと、周瑜が頑張って戦ってる隙に、劉備軍がこっそり荊州のお城をネコババ。

ドロボーとはまさにこのこと!これは孔明の作戦だったのですが、ぶっちゃけ汚すぎです!大激怒周瑜は、その後あれこれと荊州を取り戻そうとするのですが、結局うまくいきません。可哀想な周瑜は苦労しすぎてついに病気に。最後は血をドバっと吐いて死んじゃいました。三国志史上最高レベルの二枚目だったのに、もったいないです。

劉備軍蜀入り。頑張れ三兄弟!

荊州を取って、けっこうお金持ちになった劉備。中国南部には、蜀(しょく)という広い国があるのですが、この蜀を手に入れようと決意します。ここで頑張ったのが張飛と関羽。メチャクチャ強いこの二人が、軍を率いて暴れまわります。

どんどん勝ち進んで、とうとう劉備は蜀のリーダーに!ここで、中国は魏(ぎ。曹操の国だよ)、蜀(しょく)、呉(ご)の三国に分かれたのでした。中国が大きな三つの国に分かれたから、「三国志」って言うんですよ。

さよなら関羽……。君を忘れない……

さて、劉備は荊州と蜀の二つの土地を持ってましたが、荊州と蜀はひじょ~に遠いです。そこで、義兄弟の関羽に荊州の守りを任せてました。関羽は強いし賢いので、荊州をしっかり守っていたのですが……。ここで関羽に大ピンチが!

なんと!曹操と孫権がタッグを組んで、関羽を罠に陥れたのです!呉の軍と曹操の軍が、一気に関羽に襲い掛かります!いくら関羽が最強でも、この大軍にはかないません。敗走に敗走を重ね、ついに呉の軍に追いつかれて殺されちゃったのです。

「関羽死す」のニュースを蜀で聞いた劉備は大泣き!劉備と関羽と張飛は義兄弟なので、普通の部下とはラブ度が違います。「呉の孫権、絶対許さない!首を取って関羽に捧げる!」と、天を仰いで復讐を誓ったのでした。

三兄弟全滅。曹操も死んじゃう

さて、ここから立て続けに主要メンバーがぞろぞろ死にます。

まずは曹操がもうお年なので、けっこうアッサリと、ポックリ死にます。この人、大変な頭痛持ちだったので(なんか脳腫瘍?)、年を取るともう動けません。死因は老衰か病死か、かなり微妙ですね。

それから張飛も死んじゃいます。張飛は「関羽兄貴の仇を取るぜ!」とたんかを切って、軍隊の準備を急がせてたんですが……もともと暴れ者で手が付けられない張飛。部下をメチャクチャ急がせて、メチャクチャいじめたので、ついに部下がブチ切れ。「ふざけんな!殺される前にやっちまおうぜ!」と、寝首を掻かれちゃったのです。う~ん、やっぱりパワハラはダメですね。

さあ、次はついに劉備が死にます!(ひどい書き方ですが歴史上の事実なので)

「関羽の仇を絶対取る!」と血まなこの劉備。「蜀から呉は遠すぎですよ~、ダメですよ~」と孔明が止めるのも聞きません。怒涛の勢いで呉に殴り込み。

最初のうちはどんどん勝ってたんですが、劉備には一つ大誤算が……。この時、呉には若き天才軍師陸遜(りくそん)が登場していたのですね。この陸遜が、負け続けの呉軍にすごい軍略を授けます。蜀の軍隊を林の中に誘い込み、そこに火を付けさせたんです。

季節は真夏。林の木はカラカラに乾いてます。そこに一斉に火をつけたからたまりません。もの凄い大火事になって、蜀の軍勢はほぼ全滅の憂き目にあったのでした!

劉備は命からがら逃げましたが、ショックのあまり倒れてしまいます。蜀に帰りつくこともできなくなって、途中の白帝城(はくていじょう)というお城で死んじゃいました。

こうして、三国志の主要メンバーは孫権だけ残して(この人一番若いから)全員亡くなってしまったのでした。

まとめ

いや~、当たり前だけど事件が多いですね……。しかもバッタバッタと登場人物が死にますね。戦乱期だから当たり前ですけど。

三国志はどこからどこまでが「三国志」なのか、けっこう意見が分かれるところです。吉川英治の三国志なんかは、この後も諸葛孔明が頑張って蜀を支えていくところも書いてますね。孔明と魏の司馬懿(しばい。天才軍師)の戦いも名場面です。

でも、三国志の有名どころだけ知っておきたい人は、とりあえずは三兄弟の死までを知っておけば十分だと思います!さらにもっと知りたくなったら、ドラマとかで観てみてくださいね!

著者プロフィール

坂口 螢火
坂口 螢火
歴史専門のライターを目指しています。

古典と神話が好きすぎて、ついに家が図書館のように……。

1月30日に、拙作「曽我兄弟より熱を込めて」が販売されます!立ち読みも大歓迎。ぜひ読んでね!

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Posted by 坂口 螢火