西遊記のあらすじ。日本一分かりやすいページ
誰もがご存知、「西遊記」!おそらく、主人公孫悟空の名前を知らないアジア人はいないでしょう!ですが……西遊記を最初から最後まで読んだ人は、意外と少ないのでは?(サイヤ人はともかく……)
でも、それも無理はないのです!西遊記をマジメに読もうとするとかなりの勇気がいります。とにかく長い!しかも登場人物多すぎ。全部漢字(中国だから当たり前ですが)。その上、「なくていいんじゃないの?」っていう話も結構ありまして……。
そこで!このページでは、西遊記の見どころだけをピックアップして究極に短くまとめてみました!西遊記の重要人物を知りたい人、概要を知りたい人、サイヤ人をもっと深く知りたい人、必見です!
孫悟空、石から産まれる
昔々、花果山(かかざん)という山のてっぺんに大きな卵型の石がありました。とっても巨大。その高さ、大体十メートルくらい。ビル五階建て分くらいですね。
ある時、いきなり石がパカッと割れて、中から金の目をした猿が生まれたのです。この石猿こそ、主役の孫悟空!でも今はタダの生まれたて猿にすぎません……。
さて、この石の猿、なかなかの暴れ者。産まれるなり、そこいらの猿どもを全員子分にし、喧嘩三昧のやりたい放題。その上仙人に弟子入りして、いろんな術を身につけて怖いものなし!「斉天大聖(せいてんたいせい)孫悟空」というエラソーな名を名乗り、伸縮自在の如意棒(にょいぼう)振り回し、一気に十万八千里も飛べる觔斗雲(きんとうん)を乗りこなす。地上はおろか、天上界(天の神様たちが住んでるエリア)までぶっ壊して回りました。
ですが、さすがにやんちゃが過ぎましたね。ついにお釈迦様ブチ切れ。
「貴様ァ! ふざけるな! 罰として五百年そこで反省しろ!」
悟空をベチャッと地面にたたきつけると、五行山(ごぎょうさん)という馬鹿でかい山を、その上にドサッと重しにして、「五百年たったら助けてくれる人が現れるからね」と、そのまま放置。ピーピー泣いてる悟空をそのままにして行っちゃったのでした。
三蔵法師、旅に出る
さて物語の都合上、またたく間に五百年スキップ。中国はその頃「唐(とう)」という国で、ここに玄奘(げんじょう)法師という超真面目な坊さんがいました。この人、勉強しすぎて中国にある仏教の教科書は全部マスター。それでもまだ勉強し足りないという完璧主義者。
この人の前にある日、観音様がピカーッと光り輝いて突如出現!
「天竺(てんじく。インドだよ)に仏教の奥義が書いてある超レア本があるから取りに行け」
と神のお告げ。玄奘、真面目人間ですからこの奇跡に「ハハッ。命に代えましても!」と即決断。皇帝から「三蔵法師」というありがたい名前をもらって出発しました。
三蔵法師、三人の弟子ゲット。でも妖怪だよ
中国からインドまでは途方もない距離。途中、悪者はゾロゾロ、化け物だってうようよ。苦しい旅に出た三蔵法師ですが、ここに天の助け!
三蔵法師は旅の途中、五行山にさしかかります。そこには山につぶされて動けない孫悟空が……。
「助けてくれえ」
と泣きわめく悟空。三蔵法師が「助けてやる代りにボディーガードになるか」と聞くと、
「何でもします。お供しますから」
ということで、三蔵法師が五行山に張り付けてあるお札(お釈迦様が封印に使ったやつ)をペリッとはがすと、たちまち山をぶん投げて悟空は自由の身に。三蔵法師のお供になったのでした。
同じようにして、女とニャンニャンして楽しみまくっていた豚の妖怪、八戒(はっかい)、川の底でニートをやってなまけてたカッパみたいな妖怪、沙悟浄(さごじょう)も手下にして、三蔵法師は強い弟子を三人ゲットしたのでした。
しかし……八戒と沙悟浄はともかく、悟空は短気でへそ曲がりですから、怒らせると何をしでかすか分かりません。そこで三蔵法師が困っていると、いつも都合のいい時だけ出てくる観音様が
「三蔵よ。わしのスーパーアイテムをそなたに授けよう。この金箍呪(きんこじゅ)とゆー金輪を、悟空の頭にハメなさい。逆らった時は、コレコレという呪文を唱えると、ものすごい力で頭を締め上げる拷問器具だよ」
と、「悟空懲らしめアイテム」をプレゼントしてくれます。以来、三蔵は悟空が逆らうとムニャムニャと呪文を唱えだし、悟空はそのたびに
「ヒーッ!痛い痛い!いうこと聞きます~!」
とたちまち降参。この拷問器具で、三蔵は言うこと聞かない悟空をパシリにすることができたのでした。
三蔵仰天!赤ん坊そっくりの果物
さてある日、三蔵一行は万寿山(まんじゅさん)という山に来て、そこの五壮観(ごそうかん)というお寺に泊まりました。そこには「人参果(にんじんか)」なる秘宝があって、その木に実る果実を食べると、四万七千年も生きられるという、超レアアイテムなのです。
さて、お寺の人たちは三蔵をもてなして人参果をお皿に盛って差し出したのですが……三蔵は見るなり「ヒャアッ」と一メートルも飛び上がりました。
何と!その果物、生まれたて赤ちゃんそっくりなのです!仮にも坊さんの三蔵法師、
「こんなものは食べられません!」
とお断り。でも、弟子の三人は人間じゃないから
「あ~あ、もったいない……。じゃあ、俺たちでゴチになろーぜ」
と、勝手に木に登ってムシャムシャ。当たり前ですが、寺の人たちはカンカンになって怒ります。
「このドロボー!人参果は一万年に三十個しか実らないんだぞ!それをたらふく食いやがって!許せん!釜茹でじゃー!」
これを聞いた悟空、「何だと!人をドロボー呼ばわりしやがって!」……ホントにドロボーのくせに腹を立て、人参果の木を根こそぎ引っこ抜いてポーイ……。
寺の人々は大ショック。この寺のラスボス、鎮元大仙(ちんげんたいせん)という人が術を使って三蔵一行を捕まえ、悟空を釜茹でにしますが、悟空はとっても丈夫だから茹でても平気だし、人参果の木は枯れちゃったし、ショックから立ち直れません。
「人参果の木を元に戻せ!じゃなきゃ許さんぞ!」
と涙の抗議。三蔵一行はいろいろ試しますが、枯れちゃった木は全然生き返りません。困り果ててたら、例によって観音様がすかさずヘルプ。
「この薬をかければ人参果は生き返るよ」
こうして木はあっさり復活。一行はまた旅を続けるのでした。
金角、銀角と戦う
いっぱい歩いて、やがてたどり着いたのは平頂山(へいちょうさん)という薄気味悪い山。ここには金角、銀角という悪い魔物が住んでいました。こいつら、三蔵法師というえらいボーズがやって来るのを知って、
「えらいボーさんを食べると長生きするんだぜ。やってきたらウマウマしよーぜ」
と手ぐすね引いて待ってるのでした。何しろ、三蔵法師を食べると三千年も生きられるのです。金銀兄弟は「馬に乗ってるのは三蔵、毛むくじゃら孫悟空、黒くて丸いのは沙悟浄、口がとんがってつまらん顔をしてるのが八戒か。ふむふむ、悟空を何とかすりゃ、残りはただのゴミだぜ!まずは悟空を退治しよう」と相談。
「兄者!俺に任せろ。悟空を計略にかけてくるぜ」
銀角が言って、ボロボロのじじいに変身。「助けてくれえ」と道端に転がって、ピーピー泣きました。三蔵法師は慈悲深いので、悟空に銀角じじいを背負わせます。と、そのとたん、銀角は魔法で泰山を取り出し、悟空をベチャッと下敷きに!その隙に、残りのメンバーを拉致してしまいました。
「ワハハハ!孫悟空、これで貴様も最期だぜ!」
銀角、すっかり有頂天。最終兵器「魔法のひょうたん」を取り出しました。これは、相手の名前を読んで、そいつが返事をしたら、ヒョウタンの中にスイッと吸い込まれてしまうというレアアイテム。これで悟空を吸い取ってしまおうという計略です。
ところが!悟空は山の下敷きになったくらいでは参りません!即、下から脱出。さっさと銀角の手下から魔法のひょうたんをパクり、「お~い、銀角」と呼びました。
……ハッキリ言ってバカな銀角「なんだい?」と返事したのが運のつき。あっという間にひょうたんの中へ……。
金角はそれより知恵が回るので、他のアイテム「魔法のビン」と「魔法のウチワ」を使って攻撃。ビンからは炎が噴き出し、ウチワからは暴風が吹き荒れますが――悟空がひょうたん抱えて
「お~い、金角や~い」
と呼んだので一巻の終わり。「なんだい?」と返事したとたんに吸い込まれてしまいました。ハッキリ言ってバカです。
二人とも退治した悟空、天井から縄で吊るされて、今しも美味しく料理されかかっている三蔵たちを助け出したのでした。
決戦!牛魔王をやっつける
さて、はるばる旅を続けてきた三蔵一行。とある村につくと、秋だというのに嫌に暑くて死にそう……。
「何でこんなに暑いんだね?」
と尋ねると、「この先に、火炎山(かえんざん)っていう火の山があるからさ。この山を越えなきゃ、天竺へは行けないんだけど、五百キロも火が燃えてるから、まあ無理だね」
とのこと。何とか火を消して、ここを渡らなければなりません。地元民の証言を聞けば
「牛魔王の女房、羅刹女(らせつにょ)が芭蕉扇(ばしょうせん)を持ってるよ。このスーパーウチワを使えば、火は消えるさ」
「よしッ。羅刹女を詐欺にかけて、ウチワをゲットだぜ!」と孫悟空。さっそく、羅刹女のところへ行きました。ところが……羅刹女もさるもの。悟空を騙して、ニセモノウチワをよこしました。それでバサバサあおぐと、火炎山の炎はますます激しく燃え上がるばかり……。
「畜生!あのスケ、騙しやがって!」
と、今度は旦那の牛魔王に化けてホンモノウチワをゲット。これで一件落着!っと思いきや……。羅刹女、すぐにニセモノだと気づいて、本物の牛魔王に泣き泣き訴えます。
「あんた、悔しいわ!悟空とかいう化けざるに騙されたのよ!これもみんな、あんたのせいよ!」
自分が騙されたくせに、全部旦那に罪をなすりつける羅刹女……。古今東西、気の強すぎる奥さんを持つ旦那様はお気の毒です。牛魔王、羅刹女にせっつかれて
「おのれ、孫悟空!芭蕉扇をかえせ!」
孫悟空と牛魔王、それぞれ如意棒と鉄棒を振り回して熾烈な争い。そこへオマケで八戒も加わり、そこへまた天上界から助っ人の大将が到来、さらに土地の神様まで応援に来て、バッタバッタと物凄い戦いが繰り広げられました。
ついに倒された牛魔王、芭蕉扇をプレゼントして「参りました」と降参。悟空はウチワで火炎山の炎を消し、三蔵法師を先頭に、ゆうゆう道を通ったのでした。
到着!ついに天竺へ!
こうして四人は苦しい旅を続け、ついに天竺へ到着しました!何と、十四年の長旅です。
旅の汚れを清め、いよいよ霊山(仏様がいる山)に登る日。三蔵は金襴の袈裟を着て、山を取り巻いている川を渡ろうとしました。おそるおそる船に乗って川を渡っていくと、死骸がいくつか川を流れていきます。悟空がそれを差して、
「お師匠様!ごらんなさい。あれはあなたですよ」
見ればその通り。死骸は、三蔵法師や悟空、八戒、沙悟浄たちだったのです。いまや肉体を脱ぎ捨てて、めでたい仏の身となってお釈迦様のみ元へ登っていくのです。
四人はひらりと身も軽くお釈迦様の前へ行って、「わたくし、皇帝の仰せによってお経を頂くため、はるばる参りました」と申し上げます。
お釈迦様、にっこりと四人をご覧になって、山ほどの経巻を授けます。そして、それぞれ
「三蔵法師は栴檀功徳仏(せんだんくどくぶつ)、悟空は闘戦勝仏(とうせんしょうぶつ)、八戒は浄壇使者(じょうだんししゃ)、沙悟浄は金身羅漢(こんしんらかん)にしてあげよう」
と、それぞれ仏様にしてあげました。
めでたく仏さんになった悟空、三蔵を振り返って、ちょっと文句を言います。
「お師匠様、もう仏さんになったんだから、そろそろ金箍呪(きんこじゅ)を取ってくださいよ。頭がひょうたんになりそうだ。もうこりごりです」
すると、三蔵が悟空を見てにっこり。
「前は、お前が手に負えない乱暴者だったから必要だったのだ。頭を触ってごらん。今のお前には、金箍呪など必要ないものだ」
言われて触ってみると、いつのまにか輪っかはなくなっていました。極楽の光の中で、皆楽し気に笑うのでした。
まとめ
やれやれ、真面目に読んでくださった方、ご苦労様でした……。でも、ホントはもっとメチャクチャ長いんですよ?志を立てて全部読もうと意気込んでる方、西遊記は百巻あるから、頑張ってね。(学生の頃張り切って読んでみました。死ぬかと思った……)
でも!長いけど、西遊記はやっぱり面白いですよ!何が面白いって、キャラが立ってるからいいんですね。どこまでも清く正しい、でも人間だから弱い三蔵法師。短気で最強の悟空、食いしん坊でずるい八戒、真面目でちょっと暗い沙悟浄。
特に孫悟空は永遠のキャラクター。「ええい、うるさい!」で、何でもかんでもぶっ壊してしまう悟空は、読んでいて実に痛快。サイヤ人が是これだけ人気なのも、ひとえに悟空のおかげでは?
でもですね、坂口は、サイヤ人よりも「西遊妖猿伝」の悟空が好きなんですよ。それはまたおいおい記事を書くつもりなので、楽しみにしててね。
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