【曽我兄弟】曽我兄弟グッズを紹介。兄弟の菩提寺が大変なことになっている!

2021年10月8日

曽我兄弟の菩提寺、城前寺(じょうぜんじ)をご存知でしょうか?

神奈川県の曽我にありまして(だから曾我兄弟っていうんですが)、JR国府津(こうづ)駅が最寄り駅。鎌倉時代からある、大変由緒あるお寺なんですよ。

ところでこのお寺、知る人ぞ知る曽我兄弟グッズを長年出し続けてけてきたお寺……。今回、そのグッズを紹介します!

曽我兄弟って?メチャクチャ簡潔に説明

これ、昭和初期に出てた曽我兄弟の本です。二枚目でしょ?生き方も二枚目だからカッコいいんですよ。

この二人、幼くして父親を工藤祐経という悪者に殺されちゃいます。しかも領土も横取り、母親は食うに困って再婚するという憂き目に……。兄弟も父なし子と言われてソーゼツなイジメにあいます。幼い兄弟は命を懸けて報復を誓ったのでした!

それから苦節十八年、色々あって(はしょりすぎ)チャンス到来!二人は工藤祐経を富士の裾野で追い詰め、ついに仇討ちを果たしたのでした!

この二人、日本一仲のいい兄弟でも有名人。「死ぬ時は一所に死のう」と言い合い、「祐経惨殺」の知らせを受けて飛び出してきた大勢の侍たちと戦い、兄十郎は討ち死に。弟五郎も首を斬られて死にました。その後、二人の遺骨は城前寺に一緒に葬られたのです。

あまりにも簡潔ですが、お粗末様でした!

城前寺の曽我兄弟グッズ

城前寺では「曽我兄弟の絵馬がある」とかねがね聞いていたので、絵馬をもらいに行こうと思って、今回立ち寄りました。

とってもいいお寺ですよ。お寺の横には、「五郎の踏み石」があります。怪力の五郎が踏みつけたら凹んだという凄い石。

 

こんなのです。

 

……が!肝心の絵馬を住職さんに頼みに行くと

「実はね~、絵馬を作ってくれる職人さんがもういなくて、今はもう絵馬はないんですよ」

そんなことって……!職人の後継者不足はここまで深刻なんですか!

あまりのことに呆然自失。住職さん、あまりにもガッカリして魂抜けてるわたしを相当気の毒に思ったようです。「ちょっと待ってて」と言ってお寺に駆けこんでいきます。で、十分後……。

「あったよ~!」

と走ってきます!なんと、見本品が残されていたのでした……!

これです!貰った時はビニールに入っていて、「見本」と大きくマジックで書かれていました。

分かる人には分かりますよね、この場面!怒り心頭の五郎が、頼朝の宿舎へ走っていきます。赤い女の衣を被って、五郎の後ろから襲い掛かろうとしてるのが御所五郎丸です。この時十郎はもう死んじゃってるんですよね。

それからこれも見本品で残ってたとかで、住職さんが下さいました。

これはけっこう最近まで人気があった品で、七福神の名前が書かれた鈴です。土で作られた「土鈴」ってやつですね。正月の縁起物に作られたものだそうです。曾我兄弟とはあんまり関係なさそうですが……。土鈴は日本古来の楽器ですし、音楽好きだった十郎はきっと好きだったでしょう。

で、これも職人さんがいなくなってしまったとかで製造中止!もう作られてないんです。

ついでにこれも下さいました。曽我兄弟の旗ですね。家内安全身体健全のお守りで、立てて飾ります。

これまた作る人がもういません!なんと絵馬、鈴、旗、三つが三つとも職人さんがいなくなっちゃったんです。この由緒ある品々は、もう手に入らないんですよ……。

まとめ

おそらくは曽我兄弟を知る人が近年少なくなったので、こういうグッズもなくなってきているのでしょうが……あまりに悲しいことです。歴史ある伝統工芸品は、一度途絶えると、もう技術が失われてしまいますからね。これらの品が偶然手に入ったことは嬉しかったですが、反面、この事実が悲しすぎました。

何とかなりませんかね?もっと曽我兄弟のよさが再認識されて、曽我に観光客が訪れるようになれば、こういう品物を作る人も現れるんじゃないでしょうか。

著者プロフィール

坂口 螢火
坂口 螢火
歴史専門のライターを目指しています。

古典と神話が好きすぎて、ついに家が図書館のように……。

1月30日に、拙作「曽我兄弟より熱を込めて」が販売されます!立ち読みも大歓迎。ぜひ読んでね!

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Posted by 坂口 螢火